「役者歌」本番を終えて

奉納舞台

ノンフィクション♪ライブ

「役者歌」

数年前から、やってみたかった企画。

普段は台本を貰って、自分とは違う人生を演じる役者たち。

だけど、役者にだって自分の人生があるじゃない。

それが一番のシナリオなんじゃない!?

人生の一場面を告白して、その時に寄り添ってくれた歌を届けたら、歌の上手い下手とか関係なく、伝わるものがあるんじゃないかって。

そう考えてみると、この地球に生きる誰もが、自分だけの人生を演じる役者なんだって思える。

喜んだり、傷ついたり。。

自分の感情を揺さぶりながら、誰もが生きてる。

想いの詰まった歌を表現するのって、なんだか恥ずかしいけど、だけどなんか、伝わっちゃうんじゃないかって。

とある、場末のカラオケ居酒屋。

若くて綺麗なお姉ちゃんが美声を放って歌ってた。お客さんみんな、大絶賛!

だけど、なんか足んないなって思った。

その子は歌手になりたいって話してた。

だけどなんかなんか、なれないと思った。

だってそれは、音が綺麗なだけで、気持ちが伝わってこなかったから。

強いて言うなら、私、上手いでしょっ?!って自慢してる歌声だった。

とある繁華街の雑居ビルにあるこじんまりしたスナック。

仕事の関係者と飲んでた時。

年頃の娘さんがいるという男性が、花嫁をテーマにした曲を、酔っ払いながら歌った。

音痴だった。すっごい音痴。いやあもう、完全に音痴。

だけど、号泣しながら大声で歌ってた。

その想いは、娘を想う父親の、愛情深くて強い優しさだった。

なんなんだこれはと、思わずもらい泣きしてしまった。。

ん?!これだよ!これ!!

歌は音程なんかじゃない。

心なんだ!!!

やっぱりやろう、役者歌。

その後、大切な人が続けて亡くなっていく。

役者歌は、奉納舞台となった。

最初はそのつもりはなかった。

実話の物語をやるということ。

それは更なるシナリオを生むのかもしれない。

役者歌の本番を終えて感じたこと。

辛い人生の告白、悲しい別れ、もがいた日々のこと。

話してしまえば、浄化するんだなって。

歌にしてしまえば、懐かしい想い出になる。

貴方にとっての役者歌は、どんな一曲なんだろう。

今度、聞いてみたいなあ。

笑ったり、泣いたり、悔しかったり、嬉しかったり。

歌うことは、生きること。

難しく考えず、歌のようになめらかに進んでいきたい。

心輝く笑顔の時。

役者歌。

貴方の人生に、彩りの一曲を。