舞台の霊

舞台には、色々な霊がやってくる。

客席から観ていたり、舞台袖から覗いている時も。

生前、俳優だった者は舞台に上がりたがるし、

スタッフだった者は、あらゆる場所から指示を出していたり。

舞台人は、生きていても、死んでいても、舞台を愛している。

ある日、とある舞台での光景。

舞台上には、たくさんの白い光が浮いていた。

こんなにたくさんの崇高な光を舞台で見るのは珍しいと感じた。

その後に知った事実。

この舞台に上がるはずだった人が、亡くなっていた。

ああ、そうか、あの白い崇高な光たちは、その人を迎えに来ていたのだ。

舞台を愛した人が亡くなる時、今も舞台を愛し続けている霊が、迎えに来る。

そんな場面に遭遇した時、光のオーラが織り成す舞台を観たようで、感動的な気持ちになる。

舞台人は、あの世に行っても、感動させる事を忘れない。

この世だろうと、あの世だろうと、変わらずに舞台を愛し続けていれば、死に際にまた、同じ舞台に上がる事が出来る。