2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

陰翳の空間

なぜだろう まわりは明るいのに そこだけ仄暗い 闇を髣髴とさせる 異空間がある そこは実際に 目には見えないけれど 何かがいる とでも言おうか 何かがある と感じる場所 それは物質の世の中では 解明し得ない けれども確かに存在している風な そこだけに浮…

神仏の手

神社や仏閣へ訪れた際に、ほとんどの人が手を合わせることでしょう。 それをしない人はあまり見かけないですし、人間という生き物は目に見えない対象をどこかで信じ、縋っているものです。 そして祈りに対する返答は、人生の成果として現れるばかりではない…

冬の幻想

ふわりと舞い落ちる細やかな雪 儚すぎて積もりはしないけれども その中にふっと輪郭が見えることがある 人の泣き顔にも いやいや笑い顔にも見えるそれは 結晶から水滴にかわる時 アスファルトのキャンパスを喜怒哀楽に塗りたくる その一瞬間 水のエネルギー…

遊女と恵方巻

遊女と恵方巻とはなんであるか。 節分に食べる恵方巻であるが、あの太巻を頬張って食べる姿は、どこか恥ずかしいものがある。 恵方巻を食べる習慣は、大阪の花街から始まったという説がある。 遊女が頰張る太巻を見て男どもが楽しんだというのだから、なんと…

呪いの雛人形

「ママ?この雛人形、まだ片付けないの?」 あどけない表情の一人娘が、不思議そうにたずねると、 「もう少し飾っておこうね」 ママはそう、妖しげな微笑みでこたえた。 「どうして?もう、ひな祭り過ぎちゃったよ」 この歳、桃の節句には、甘い白酒を飲み、…