真っ赤なカーネーション

5月の第2日曜日は『母の日』でしたね。

日本にもカーネーションを贈る風習があります。

そのはじまりは、亡き母に贈る白いカーネーションだったといいます。

それがなぜ、赤いカーネーションを贈るようになったのでしょう。

これはある方から、遠い昔にきいたお話しです。

果たしてどこまでが本当のことかわかりませんけれど、そのことを少しだけお伝えしておきます。

ある少女が外国に住んでいました。

小さなお家で母と二人暮らしをしていたのです。

少女は母の日に白いカーネーションを贈ろうと、家路に続く草叢を歩いていました。

するとそこへ、大柄な男が立ち塞がります。

少女は大きな声をあげました。

次の瞬間、少女の身体から鮮血が吹き出したのです。

あえなくも強盗の刃物の餌食になってしまいました。

その血しぶきが、白いカーネーションを真っ赤に染めます。

それはそれは美しい色に染め上げたのです。

少女は生き絶える瞬間も、そのカーネーションを握りしめていたといいます。

そこから生きている母には、深い愛情を込めて、真っ赤なカーネーションを贈るようになったそうですよ。