陰翳の空間

なぜだろう

まわりは明るいのに

そこだけ仄暗い

闇を髣髴とさせる

異空間がある

そこは実際に

目には見えないけれど

何かがいる

とでも言おうか

何かがある

と感じる場所

それは物質の世の中では

解明し得ない

けれども確かに存在している風な

そこだけに浮かぶ

何か

なのであろう

それを入り口とも

出口とも

あるいは境界線とも

言う人がいる

物質は入ることのできない

見えない扉であるのか

またはその扉を塞ぐ

人間ではない番人のような者が

そこへ立ち塞がっているのか

天界へ誘われるのか

地界へ真っ逆さまか

それは個人によって違うのか

果たして空気の違い

雰囲気の差異とは

理屈などでは片付けられない

だからこそ

閃きこそが

答えになりはしないか