自己顕示欲を超えて

インターネットの普及によって、誰もが自分の存在をアピールできるようになった。

自己顕示欲を満たせる場所。

凄い!素敵!羨ましい!

そんな声に反応して喜ぶ心。

自己顕示欲を満たすのは、自己肯定感を増やす意味では、いい事かもしれない。

けれどその反対に、批判されたり、貶されたりすれば、憤りを感じたり、深く落ち込む事にも繋がりかねない。

自分の為だけだと、プラスにもマイナスにも反応してしまう。

そこで、自己顕示欲を超えて、人にとって有り難い存在になってみてはどうだろうか。

凄いだけの人から、有り難い人に。

素敵な人でもあり、有り難い人に。

羨ましいと妬まれるより、心から有り難いと思われる人に。

相手から感謝の言葉を受けた自分の心は、どんな自己顕示欲よりも、有意義に感じられるものではないか。

思いがけずも、人に感謝された事によって、満たされる自己肯定感もある。

何かを伝えて、心の距離感が生まれてしまいがちな昨今。

人と自分を比べやすくなってしまった、便利な電子機器の中に映る、言葉や画像に動画。

お互いの心が温まるものが見つけにくい、そんな世の中なのかもしれない。

だから、お世辞かもしれない褒め言葉に躍らされているより、ただ淡々と、有り難い人になってみる。

自己顕示欲は自分だけの満足だけど、施しの精神なら、どんなに小さな事だって、少なくとも、相手と自分の満足に繋がる。

思い返せば、有り難い人に出会うと、心が温まっている。

ふと親切にされて、嫌な気持ちになる人って、ほとんどいないもの。

有り難い人に出会ったら、自分も嬉しい。

感情は連鎖するものなので、危うげな自己顕示欲で感情の起伏を左右されるよりも、温かな感情を分け合って、プラスにはなっても、マイナスにはならない事を心がけていけたら、世の中はまんざらでもない、そう感じるかもしれない。