小さい女の子

友人が昔、よく見ていました。

証言によると、こうなのです。

小さい小さい、女の子なのです。

身長わずか、数センチしかないといいます。

それにもかかわらず、たくさんいるのです。

何人も何人も、何十人といるのです。

もしかしたら、百人近くいるかもしれないのです。

おんなじ顔の、おんなじ服の、おんなじ靴の、小さい女の子が。

なんなのでしょうか、一体それは。

天使や妖精の化身でしょうか。

この世の中には、まだまだ得体の知れない、生き物とも、生き物でないとも解明できないものが、本当に多く目撃されています。

人間の解明できているものだけが、この世に存在しているだとか、そのような考え自体が、すでに時代おくれなのかもしれません。

証明できない存在を見た時、新しい価値観を持って、受け入れられるでしょうか。

人間の友達は、これから未確認生物になっていくかもしれません。

もう、そんな交友関係を持っている人間だって、いるかもしれないのです。

それだって、こんな世の中なら、なんだか羨ましいとさえ思います。

小さな足音が聞こえたら、そっと探してみましょう。

机の下や、棚の裏に、かくれんぼうをしているかもしれませんよ。

一人見かけたら、きっともっと、たくさん潜んでいるのかもしれませんよ。