梅雨明けの頃
日本には梅雨があります。
じとじと、じめじめ降り続く雨。
独特の文化といってもいいくらいです。
梅雨が終わろうとする時、嵐がやってきます。
それが、梅雨明けのお知らせです。
人生にも、どう足掻いても泥沼から抜け出せない時期があります。
やっとそこから這い上がれると思った時、さらに大打撃が起こることすらあります。
そこでめげない者は、のちに美しい世界を見ることができます。
辛酸をなめるからこそ、本当に素晴らしいものを知ることができるのです。
ただし人生の梅雨明けは、いつ頃なのかわからないのが困ったもので。
そうはいっても、人生の四季がわかっていては、もがくことを忘れてしまうのも人間です。
さあ、今年の長い梅雨が明けますよ。
人生の梅雨明けも、つまりは前向きな眩しい陽射しを感じられる心持ち、その覚悟が必要です。
ダメなものはダメなのだから、泥沼に頭までどっぷり浸かったら、思い切って顔を振り上げ、そこから見える太陽を自ら探してみてはどうでしょうか。
泥水も、ずぶ濡れになってみると満更でもなく、なんだか面白い気分になるものです。
それから太陽に当たって洋服がどんどん乾いていく爽快さ。
子供の頃って、そんな時さえ面白がったものです。
大人になって太陽ばかりに当たっていると、暑過ぎて枯れますよ。
枯れる前に濡れるのも大切です。
そうやって良いこととそうでないことを繰り返すから、人間の心も育つのでしょう。
これからうんと暑くなります。
浸りすぎない、枯れすぎないように、頃よくほどよくまいりましょう。
結局、人生の雨天は、自分の心で予報できるのですね。