光の存在

絶望の淵に立たされた時。

もう生きられないと溜息を漏らす、そんな時。

 

生きているのに死んでいるような時。

この世は生き地獄だと感じてしまう時。

 

手放してみる。

もがく事をやめて、お手上げする。

 

すると、光の存在が現れる。

光の存在とは、宙に白い球体が浮いているように感じられるもの。

 

光の存在に出逢うと、底を脱する。

自分の為に生きる人生から、世の中の為に生きる人生へと転換する。

 

そうするともう、絶望の壁は崩れ去っていく。

 

自分の為に生きて来たから、上手くいかなかった。

人と比べてしまっていた。

人の目が気になっていた。

 

世の中の為に生きるなら、失敗も絶望すらも、ある訳がない。

 

自らその事に気付くまで、光の存在は実はいつも見守ってくれていた。

そして勇気を持って変革の道を進む時、いつもすぐそばで光を照らし続けてくれる。

 

手放せば、欲のしがらみから解放される。

もがき苦しんだのは、自分の欲望からであった。

 

世の中の為に生きる人生が悪である筈はない。

善なる行いは、光の存在から祝福される。

 

光の存在を知ると、深い部分までは落ち込まなくなる。

落ち込みそうになっても、浮かんでくる。

光の存在と繋がると、奈落の底に落ちていく訳がなく、心地良く浮かび続けられる。

 

あの絶望は貴重な経験だった。

弱さを知ると、悩める人に寄り添える。

寄り添える人はたくましい。

強いだけの人より優しい。

 

その人もまた、誰かの光になる。